あらすじ
コンクリートの壁に化石を見つけ、氷の結晶を評価し、空から降る隕石を夢見る――そんな三人の女性がいた。
水瀬千尋。化石クリーニング技師。エアブラシで8000万年前の生命を現代に甦らせる。彼女が見つめるのは、過去。
結城蒼。結晶成長研究者。温度と圧力を制御し、完璧な人工宝石を育てる。彼女が追求するのは、現在。
星野環。隕石鑑定士。46億年前の宇宙の石から、太陽系の未来を読み解く。彼女が見据えるのは、未来。
三人は月に一度、「石会」と称する飲み会で集まる。化石と結晶と隕石を持ち寄り、時間について語り合う。職業病だと笑われても、彼女たちは幸せだ。なぜなら、石を通して、時間そのものが見えるから。
やがて三人は共同研究を始め、隕石中の生命の痕跡を追い、科学館で展示会を開く。子供たちの輝く目が、石の魅力を証明する。
過去と現在と未来が交わる場所で、三人は夜空を見上げる。
「私たち、いつか化石になれるのかな」
これはちょっと変わった理系女子たちの、時間を巡る優しい物語。