あらすじ
地方都市の公立高校。吹奏楽部は強豪でも弱小でもない“中途半端”。
けれど、ある春に転入してきた少女・和泉結(いずみ ゆい)は、演奏が上手いわけでも、目立つわけでもないのに、なぜか「音のトラブル」を収めてしまう。
彼女の特技は、音を“翻訳”できること。
「強く吹け」でも「もっと優しく」でもない。
誰が、何を怖がり、何を守りたくて、その音になっているのか――それを言葉にして、衝突の前で止められる。
だが、音を整えるたびに、人の秘密も露わになる。
家庭の事情、格差、進路、嫉妬、恋。
境界線を越えてしまったとき、彼女の“翻訳”は刃になる。
それでも結は、全国を目指す。
上手い人が勝つのではなく、バラバラな人たちが「同じ曲を信じられる」チームを作るために。