あらすじ

織倉結(おりくら ゆい)と織倉 絃(おりくら いと)。 同じ顔をして、同じ声で笑う、ふたりの少女。 洗面台に並んで髪を整える朝。 一本の傘を分け合って、肩を濡らした六月の雨路。 お風呂上がりの熱を逃がす、ドライヤーの風。 こたつの中で迷路のように絡まる、足先のぬくもり。 どこまでも似ているけれど、決して重なり合うことのない鼓動。 移ろいゆく季節の中で、ふたりは互いの内側にある、自分とは違う「熱」をそっと拾い集めていく。 「二人がこんなに仲が良いのって、双子だからじゃないよね」 友人の智世が投げかけた、何気ない言葉。 同じであることの安堵と、他者であることの愛おしさ。 その境界(あわい)を、一針ずつ丁寧に綴るように。 これは、鏡合わせのふたりが、ただ隣にいることを選び直すための一年間の物語。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/02/10
  • 現在の作品ふたりの、あわい