あらすじ

──ぶーん。 「……おや? ありゃミツバチかい? 空を飛びたきゃ飛行機に乗ればいいのに。ありゃあ、相当、いまさらな物好きだね。」 「……ん? 何かおかしい。いや、距離が縮まって……。近づいてきてる? おい、おい、まさかあいつ、こっちに向かって突撃してきちゃいないよな。」 ──ぶーん。 ──ぶーん。 ──ぶーん。 「おい、おまえ、待て待て待て! 前方を見ろっ! 馬鹿っ! やめろおおおお!」 慌てて叫ぶスズメバチ。 ──その鼻先をかすめる瀬戸際で、 カタストロフィ号は旋回して離れていった。 「え?」 スズメバチは、呆然とする。 なぜなら、囁くようなミツバチの声が聞こえた気がしたからだ。 ──『よかったら、一緒に飛ぼうよ。』 「……何言ってんだよ……いまさらだ……、この飛行機が発達した時代に……自分の羽でなんて……何の意味も……。」 スズメバチを置いて、 ミツバチは飛んでいく。 壊れかけの機体を修理しながら。 スズメバチは、それをただ見つめる。 ──ぶーん。 終わりも始まりも内包したような、 小さな、小さな羽音だけが、ただ、響いていた。

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カクヨム
カクヨム2026/02/10
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