あらすじ
辺境伯爵家の令嬢リュシアは、王太子アルベルトの婚約者――のはずだった。だが舞踏会の夜、彼は“聖女”と名乗る少女を隣に立たせ、公開の場で婚約破棄を宣言する。
泣いて縋れ? 冗談じゃない。リュシアの仕事は国境監査官。条約、戸籍、通商、税。国を動かすのは剣ではなく紙だと知っている。
彼女はその場で微笑み、たった一言を求める。――「婚約解消の文書、正式な写しをください」
署名と印璽が揃った瞬間から、王家は“詰む”。
侮られた令嬢は、法律と契約で帝国の矛盾を可視化し、合法的に崩していく。そんな彼女に手を差し伸べたのは、敵国の宰相補佐――冷徹と噂される男だった。「君の正しさは、国境の向こうでこそ必要だ」
これは、涙の代わりに条文を武器にする令嬢の、痛快で甘い逆転恋愛譚。