あらすじ
燃え落ちた城の瓦礫から、亡国アルティアの王女エリシアを救い出したレオン。前世の記憶を持つ転生者だが、英雄でも騎士でもない傭兵崩れだった。
それでも彼は、王家の指輪を握る少女の瞳から目を逸らせず、「通りすがりの騎士」と名乗って手を差し伸べる。
追手は侵略国グラントの黒旗騎士ヴァルグ。冷徹で合理的な包囲網が森を狭めていく中、レオンは正面から勝つのではなく、地形と段取りで“勝ち方”を選ぶ。
崩れた礼拝堂の老神官が託した通行証、川で消す足跡、吊り橋で稼ぐ時間。小さな決断の積み重ねが、王女を境界門の向こうへ導く。
「泣いても歩く」と誓う王女と、「最後まで守る」と決めた男。
国は滅びても、守られた命がある限り、物語は終わらない。
レオンは生きて王女の隣に立ち、名ではなく行動で“最後の騎士”になる。