あらすじ

東南アジアの水上都市〈ナム・スック〉。 「犯罪ゼロ」「失踪者ゼロ」「病気ゼロ」を誇る、平和な観光地。 そこでは、人は死なない。 正確に言えば――身体が壊れても、意識だけが残り続ける。 逃亡犯の佐伯恒一は、この街に“安堵”を見出す。 捕まらない。裁かれない。死ぬことさえできない。 ここは、自分にとって都合のいい場所のはずだった。 だが、街の住人たちは笑わない。 生活音はなく、同じ動作を延々と繰り返し、 死者は今日も市場で働き続けている。 佐伯は試す。 殺しても、殺しても、彼らは翌日そこに立っている。 やがて彼は、孤児の少女ノイと出会う。 彼女だけが、この街を「優しい場所」だと信じていた。 ――もし、この街から出られたら? ――もし、まだ“救い”が残っているとしたら? 脱出の試みは、最も残酷な真実を暴き出す。 死ねないことは、救済ではない。 罪は消えても、意識は消えない。 奪った命は、永遠に内側で囁き続ける。

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エブリスタ2026/01/23
  • 現在の作品幸福の街