あらすじ
雨音が外界の喧騒を遮断する夜。 コインランドリーという湿った密室で、’彼’の求愛は静かに回転を始める。
ターゲットは、無防備な部屋着姿の女子大生。 観察者は、病的なまでに潔癖で知的な青年。
彼は決して、彼女の体に指一本触れない。 ただ、彼女が脱ぎ捨てた「第二の皮膚(衣類)」が水と泡にまみれる様を、特等席で眺めるだけ――。 洗濯機のスタートボタンを同時に押す0.5秒のシンクロ、床を伝わる脱水の振動。それらを「愛のワルツ」と信じて疑わない彼の歪んだ視点が、フルカラーの鮮烈な湿度をもって描かれる。
清潔な貌(かお)の下に隠された、粘着質な欲望。 彼女が「洗い立て」の洗濯物を抱えて帰るとき、そこには既に、決して混ざってはいけない’異物’が紛れ込んでいる。
あなたの家のクローゼットは、本当にあなただけのものですか? 読後、自分の洗濯物を確認せずにはいられない。生理的嫌悪と陶酔のサイコ・ラブホラー。