あらすじ
太平洋を望む穏やかな港町。 記憶が泡のように消えていく不治の病「泡沫病(うたかたびょう)」を患う灯(あかり)は、完璧な恋人・誠(まこと)の献身によって、静かな幸福の中にいた。
「大丈夫。君が忘れた記憶は、全部僕が預かっているから」
誠が語る「二人の思い出」だけを道標に、灯は彼を愛し、彼にすべてを委ねる。 眩いほどに純粋な愛の物語。
毎日が優しさに包まれていると感じているはずなのに、どうして心がざわつくの? 誠の瞳に映っているのは、目の前の彼女か、それとも――。
美しすぎる日々の裏側で、静かに、けれど確実に何かが狂い始めていく。