あらすじ
雨が降るたび、俺は「屍」になる。 かつて同じ温度で音楽を愛したはずの元カノ・水涸葵(みずか・あおい)に、放課後の教室で振られてから。
才能という残酷な壁。 登録者数万を超える天才の彼女と、数百止まりの無才な俺。 雨音に閉じ込められ、充電切れの毎日を過ごす俺の前に現れたのは、お節介な幼馴染・戸成夏乃だった。
「幻想から解き放ってあげる」
彼女に手を引かれ、向かった旧校舎の奥。 そこで耳にしたのは、「別の男」の声だった。
裏切りか、それとも彼女の純粋すぎる音楽への献身か。 絶望の淵で、俺は選ばなければならない。 雨に濡れない場所へ逃げるのか。それとも、一生彼女の才能に打たれながら、その隣で溺れ続けるのか――。