あらすじ

霧の森に郵便局がある。 行った者は、帰り道を忘れる。 毎晩、宛先のない手紙が届く。 宛先が無いのではない。 宛先が“消された”のだ。 封を開けると、紙があなたの記憶を吸う。 読んだ瞬間、世界が一文字だけ欠ける。 写真の端が剥がれ、声の主が消え、家族の人数が減る。 郵便局は静かに笑う。 「配達先は、あなたの中です」 そして気づく。 この郵便局は森にあるのではない。 あなたが息を吐くたび、ここが増える。 最後に届くのは手紙じゃない。 あなたの人生の“空白”だ。 次の配達で、宛先はあなたになる。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/02/09
  • 現在の作品霧の森の郵便局:宛先のない手紙が届く