あらすじ
写真部の放課後には、いつも言葉にしない時間が流れている。
写真を撮るのは好きだけれど、人を撮るのは、どこか苦手だった。
高校二年生の西村駿は、廃部寸前の写真部で、風景や日常の一瞬を切り取ることだけを続けている。
幼馴染の紡木陽向、陸上部出身の大野悠斗、
中学時代に挫折を経験した坂口璃奈。
そして、新しく写真部に加わった一年生たち。
それぞれに迷いや距離感を抱えながらも、彼らは放課後の部室で、同じ時間を過ごしていく。
誰かを主役にすることはなく、何かが劇的に変わるわけでもない。
けれど、見ているうちに、少しずつ視線が変わっていく。
これは、
「撮る側」と「撮られる側」、
「見る人」と「見られる人」のあいだで揺れる、
静かな青春群像劇。
写真部の日常と、言葉にできない感情の行き先を描く物語。