あらすじ
原因不明の《害獣》が突如出現するようになった現代日本。
行政・警察・自衛隊による対応は制度化されたが、現場は常に後手に回り、街は破壊と死に“慣れ始めて”いた。
茂は、未登録の駆除屋。
正規手続きを踏まず、制度の外側で害獣を狩り、その死体を売って生きている。
英雄でも被害者でもない。ただ「生き延びるために一番効率のいい選択」を積み重ねている男だ。
登録駆除屋、警察、回収業者、行政。
それぞれが正しさと役割を持つ中で、茂の存在は常にズレている。
彼は秩序を守らないが、秩序が機能しない場所で最も確実に結果を出す。
駆除のたびに発生する金、記録、責任、そして“人の死”。
制度に組み込まれることを拒み続けた結果、茂は次第に街と衝突し、
やがて「個人の選択」が社会全体を歪めていく中心へと追い込まれていく。
これは、世界が壊れた後の物語。
命に値札が付き、正しさが遅れて届く時代で、
正しくない選択だけを積み上げていく男の現代異常譚。