あらすじ
熟年離婚された男、仕事の恨みを持つ人間、社内のハラスメントを受けた人間、降格を逆恨みする人間たちが起こす事件五話を連作短編で連ねた推理小説。
第一話 モンスターペイシェント
モンスターペイシェントが現れた日、病院の駐車場で車五台が傷つけられる事件が起こる。被害者の一人だった探偵の空木は独自に調査、同じ被害者のホープ製薬の石黒勇樹の競合会社の東亜製薬の国松が浮かんだ二週間後、玉川上水で飲食店アルバイト中内祐輔の絞殺死体が発見される。
第二話 ジェラシー
石黒勇樹の所属するホープ製薬立川営業所は、所長の北山のハラスメントが激しかった。そんな中、居酒屋のダブルブッキングに続き、営業所内でコーヒーに農薬が混入される事件が起こり、北山は重症となる。疑われた石黒は、空木健介に調査を依頼する。
第三話 錯綜の山
野良猫の毒殺の調査を依頼された空木は、土田嘉英の仕業だと推理したが、毒殺の証拠は無く調査は一旦終了する。そんな折、空木は友人と奥秩父の山に登り、専門学校生と製薬会社に勤務する浜崎恵奈と出会う。二日目の縦走路で空木は、片手に手袋をした登山者の転落死体を発見する。
第四話 挨拶状
十一月初め、ホープ製薬の浜崎恵奈、石黒勇樹たち四人に異様な挨拶状が届く。そして、四人は数々の嫌がらせを受ける。犯行はハラスメントで降格処分を受けた前所長の北山の犯行だと推測した四人は、石黒勇樹、浜崎恵奈の提案で探偵の空木に、北山の犯行の証拠を調べて欲しいと依頼する。
最終話 護り人
一連の事件が解決したその年末、京都に帰省した浜崎恵奈から、父親の墓前に片手だけの手袋が供えてあると聞かされた空木は……。そして最後には……。