あらすじ
自由とは、力を持つことだと思っていた。
それを手に入れるまでは。
ある日の夕暮れ、平凡な高校生の「僕」は、人を簡単に殺せてしまう“力”を手に入れる。
拾ったのか、奪ったのか――そんなことは重要じゃない。
確かなのは、それが世界の見え方を一変させたということだけだった。
誰にでも向けられる。
引き金を引く理由も、正義も、必要ない。
ただ「できてしまう」という事実が、日常のすべてを歪めていく。
友達との何気ない会話。
放課後の誘い。
静かな校舎裏。
その一つ一つに、「撃ち殺す」という選択肢が並び始める。
使わなければいい。
持っているだけなら、何も変わらない。
そう言い聞かせながらも、力を手放すことはできない。
自由を得たはずなのに、心はどんどん不自由になっていく。
本当に自由なのは、選べることなのか。
それとも、選ばないと決め続けることなのか。
これは、
力を持ってしまった少年が、
“何をするか”ではなく、“何をしないか”を選び続ける物語。
自由は、答えの出ない問いだ。
そして今日もまた、選択肢は消えない――。