あらすじ
時は江戸時代末期。商家の娘・お蘭は、類まれな計算能力と数学的洞察力を持つ天才算盤師だった。しかし、女だてらに商才を発揮することを快く思わない一族に疎まれ、大奥へと奉公に出されることになる。
将軍の寵愛を競う華やかな世界に放り込まれたお蘭だったが、興味があるのは女たちの駆け引きではなく、大奥で日々発生する「数字の謎」だけ。消えた金子の行方、不可解な物資の流通、予算書に隠された暗号――。
お蘭は算盤と和算の知識だけを武器に、大奥に渦巻く陰謀を「計算」で解き明かしていく。金勘定と人間関係の機微を読み解く、新感覚歴史ミステリー。