あらすじ
戦場で生き残ることだけを教え込まれてきた一人の兵士がいた。
異世界に召喚された彼は、勇者でも救世主でもなく、ただ“兵士”として戦うことを選ぶ。
勝つことよりも、生き残ること。
誉れよりも、目の前の命を守ること。
それが彼の戦い方だった。
やがて彼は幾つもの戦場を潜り抜け、仲間を得て、民から英雄と呼ばれる存在になっていく。
だが、戦場は彼に勝利だけを与えはしない。
守れたものと同じだけ、守れなかったものもまた、確かに積み重なっていった。
戦争、政治、陰謀。
英雄として祭り上げられるほどに、彼の立場は重くなり、
選べない選択を突きつけられる場面も増えていく。
それでも彼は剣を握る。
誰かのために戦うことをやめられないまま。
英雄と呼ばれながら、最後まで“兵士”であろうとした男の物語。
これは、
勝者の物語ではない。
栄光の物語でもない。
それでも、確かに誰かの人生を背負って戦い続けた男の記録である。