あらすじ
先見の力を持った小国の姫セリーネは、帝国の暴君の元へ嫁がされることが決まっていた。
命尽きるまで帝国の王の命に従うという魔法契約の下に。
逃亡や命令拒否の対価は弟の命だ。
けれど、嫁いだセリーネを待っていたのは、嫁ぐはずだった暴君の死と、新王レオニスの即位の知らせだった。
レオニスは知らない。
──セリーネの魔術契約も。
──先見の力が命を削っていることも。
──先見の示す未来にセリーネの姿がないことも。
今日もセリーネは、レオニスの求めに応じて、自らの命を削って未来を見る──。
はずだったのだが。
「やあ、セリーネ。可憐なラベンダー。今日も美しいね。まるで妖精のようだよ」
「私と君との仲だろう? 名前で呼べと言ったのに。セリーネ?」
レオニスの溺愛は、留まるところを知らなくて──。