あらすじ
「それでも、私は人間が好きなんだと思う」
異形の力を持ちながら、密かに人々を守り続けてきた少女・ミラ。
彼女の隣には、彼女を「化け物」ではなく一人の人間として扱う青年・奏がいた。
雨の夜の静寂、背中を預け合う戦場。
守ることで居場所を得られると、ミラは信じていた。
しかし、世界は彼女の「献身」を最悪の形で裏切る。
恐怖に駆られた人々が牙を剥いたのは、敵ではなく、彼女の大切な居場所だった。
守ろうとした手が、すべてを壊す刃に変わるとき。
燃え落ちる廃墟のなかで、奏は変わり果てたミラと再会する。
「私を悪にしたいなら、なってやろうじゃない」
それは、絶望の果てに彼女が選んだ、あまりにも悲しい自己救済。
奏は悟る。彼女を止めることも、救うこともできない。
ならば、せめて――。
これは、守れなかった世界で、
最後まで誰かを人間として扱い続けた者たちの、残酷で美しい終焉の物語。