あらすじ

目を覚ますと、月が二つ浮かぶ見知らぬ世界にいた。  名前も、過去も、自分が何者だったかも思い出せない。  あるのは——なぜか豊富な知識と、やけに非力な身体。  そしていつの間にか備わっていた、地味で頼りない不思議な力だけ。  たどり着いたのは、豊かだが魔獣が棲むゆえに誰も手を出さない「恵まれた辺境」。  火を起こすだけで一日が終わり、  石のナイフひとつ作るのに何度も失敗し、  魔獣に出くわせば、逃げることしかできない。  それでも——この土地が好きだと思った。  前世の知識で道具を作り、罠を仕掛け、岩塩を見つけて初めて肉に塩を振った日。  あの感動を、いつか誰かと分かち合いたい。  やがて出会うのは、孤独な獣人の少女。  強くて不器用で、尻尾が正直な彼女が、最初の仲間になった。  戦えない男が、知恵と料理と少しの不思議な力で、  未開の辺境をゆっくりと拓いていく。  一人、また一人と仲間が増え、  やがてそこは——たくさんの「おかえり」が生まれる場所になる。  これは、非力な開拓者と、彼を支える仲間たちの、  のんびりだけど確かな歩みの物語。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/02/08
  • 現在の作品戦えないので知恵と料理で生きていく。気づけば辺境の拠点に仲間が集まって、スローライフが始まりました