あらすじ
関西陸上界の若きエースとして、次期オリンピック候補と目されていた男。
彼は100m決勝の号砲と同時に心不全で倒れ、その短すぎる生涯を終えた——はずだった。
目覚めると、そこはファンタジーな異世界のど真ん中。
しかも、手足のない銀色の流動体、メタルスライムに転生していた!
鉄壁の硬さを誇り、あらゆる魔法を無効化するチート性能。
しかし、それ以上に致命的な事実が発覚する。
最大HP、わずか「4」。 どれだけ硬かろうが、ヒノキの棒で小突かれようが、石を投げられようが、4回当たれば即死。
この世界において、メタルスライムは「英雄への特急券(経験値の塊)」として、全人類から血眼で狙われる超危険な存在だったのだ。
「戦うなんてアホのすることや。俺は逃げる。地の果てまで逃げ切ったる!」
かつて100m走に捧げた魂は、今、「生き残るための爆走」へと切り替わる。 冒険者に囲まれればマッハで森を抜け、勇者の放つ必中魔法を紙一重で回避し、ときにはあまりの速さに衝撃波を撒き散らす。
これは、世界一狙われやすい「経験値」が、元アスリートのプライドと脚力を武器に、誰にも触れさせないまま異世界の頂点へと駆け抜ける、前代未聞の超高速逃走ファンタジー。
「ええか、俺の前に立つな。——追いつけるもんなら、追ってみろ!」