あらすじ
狼獣人の族長の娘、15歳のルピーネは、銀山で激しい嵐に遭い、崩落した洞窟に閉じ込められてしまう。脱出路を求めて彷徨う彼女が出会ったのは、最期を迎えようとしていた一頭の母竜だった。
母竜は残された力を振り絞り、ある「魔法」をルピーネにかける。それは、彼女の身体を『生きた揺籠』として、産み落とされたばかりの卵を託すというものだった。
数ヶ月後、ルピーネの腹部から強い光とともに産声を上げたのは、白銀の竜・ルーク。しかし、未婚のまま「子を宿し、産んだ」彼女に向けられたのは、村人たちの冷酷な蔑みだった。身に覚えのない不名誉と、腰に残された謎の紋様。村に居場所を失ったルピーネは、新月の夜、ルークを連れて故郷を捨てる決意をする。
だが、そんな彼女を密かに追う影があった。二歳年上の幼なじみ、戦士のロドルフ。 「お前を一人にはさせない」 不器用な彼の誓いと共に、二人と一匹の厳しい旅路が始まる。
目指すは大陸の中心地、帝都。道中で出会う美貌の変人エルフ・アルヴィンを仲間に加え、彼らは冒険者として歩み出す。 なぜ母竜は死んだのか、どうして獣人の娘が竜の卵を孵すことができたのか。そして、彼女の肌に刻まれた紋様が示す真実とは――。
これは、謎解きの旅を通じて成長する若者達の、勇気と愛の物語。