あらすじ
深夜二時。東京の片隅で、誰にも言えない孤独を抱えてグラスを傾ける時、”あいつ”は現れる。
白くて、モフモフで、光る不思議なモンスター。
あいつは言葉を話さない。その代わり、俺たちの心にこびりついた「辛い記憶」や「誰にも言えない悲しみ」を美味しそうに食べてくれるのだ。
そして、そのお返しに見せてくれるのは、数億年前の星の爆発や、深海のクジラの歌、あるいは亡き祖母の温かい記憶――。
スランプのライター、孤独な校閲ガール、定年退職した男。
それぞれの夜に訪れる、奇妙で温かい晩酌の時間。
これは、忘れ去られそうな世界の欠片を拾い集める、ちょっぴり不思議な「おつまみ話」。