あらすじ
清少納言(通称、なごん)が千年の時を超えて、ちひろに会いに都に降り立った。 男の身体をもち、女として現代を生きるちひろとなごんはずっと量子もつれの状態だった。
そして、和泉式部は闇の深淵から、片時も離さず、ちひろを観測し続けている。 わたし真紀子は、ちひろの編集パートナーとして、この事実を書き留めております。
千年の時をワープして、現代の都に降り立った清少納言。 彼女が手にしたのは、筆ではなく、すべてを暴く「量子」の眼差し。
四条の路地裏で出会ったのは、男と女が「にこにこと笑い合い」ながら一つの身に宿る、あやしき占い師。 「あんたの『枕草子』なんて、紫式部はんにはかなわん」 その挑発的な一言に、なごんの理知と情熱が火を噴く。
「ええわ。あの女には逆立ちしても書けぬ『真実』を、うちが刻んでやるわ」
SNSの虚栄も、隠された性の深淵も。 なごんの毒舌とエロスが、歪んだ世相を鮮やかに切り裂いていく。 その喧騒を、完全なる重ね合わせの存在「ちひろ」が、静かに、愛を込めて見守っている。
これは、二つの性がもつれ合い、一つに還るための、現代の福音。 どうぞ、その裾をめくる勇気のある方だけ、お入りやす。