あらすじ
この物語は、
「上が馬鹿なら、下まで馬鹿になる」
その一文から始まる、絶望の連鎖を描いた二十話と終章からなる長編叙事詩である。
物語の舞台は、崩壊寸前の国家。
指導者は愚かで、民は分断され、知性は権力の道具となり、無知は搾取され続ける。
革命を叫ぶ声はあっても、武器を持たされ、使い捨てられるのはいつも「考えない者」だった。
主人公は、復讐を生きる理由に選んだ一人の少年。
彼は問い続ける。
なぜ生まれてきたのか。
なぜ生き延びてしまったのか。
なぜ死ぬ資格すら選ばせてもらえないのか。
反出生主義、革命幻想、知性の暴力。
「正しさ」を掲げる者ほど冷酷で、「救済」を語る者ほど人を選別する世界の中で、
登場人物たちは皆、何かを信じようとして、何かを壊していく。
20話を通して描かれるのは、
革命が成功する物語ではない。
救いが訪れる物語でもない。
描かれるのはただ、
生き残ってしまった者たちの後悔と、
死んでいった者たちに意味を与えようとする必死さだ。
そして終章で、物語は読者へと向き直る。
この世界を外から眺めていた「あなた」に、問いを投げかける。
――君は、賢い側だったのか。
――それとも、使われる側だったのか。
――あるいは、何も考えないことで生き延びてきただけなのか。
『生き残った俺らと、残された君へ』は、
答えを与える物語ではない。
読み終えたあと、胸の奥に重く沈む違和感そのものが、この作品の結論である。
これは革命の物語ではない。
革命を夢見た人間たちが、なぜ救われなかったのかを描いた物語だ。
そして最後に残るのは、
「それでも明日を生きるしかない」という、
最も不誠実で、最も現実的な真実だけである。