あらすじ
街では奇妙な噂が流れていた。
午前3時になると、ラジオの周波数をどこに合わせても、ノイズ混じりの女の声で怪談朗読が割り込んでくるという。
その怪談に、自分の名前が出てきた――そう語る若い女が、胡散臭い私立探偵クルルテルのもとを訪れた。
逆探知の結果、発信源は市外れの墓地。
怪異の仕業かと思われたその現象は、やがて敵国による秘密電波実験施設の存在へと繋がっていく。
怪談はカバー。電波は洗脳装置。
そして依頼人の女は、その計画に深く関わる人物だった。
依頼を打ち切り、証拠を消し、面倒事から手を引いたはずのクルルテル。
だがその夜、再び放送は始まり、今度は説明のつかない「本物」が割り込んでくる。
偽の魔法陣が、見たこともない色で光り始めたとき、クルルテルは初めて悟る。
これは、怪異でも陰謀でもない。
その両方が、同時に存在しているのだと。