あらすじ

2026年2月、東京の下町の区立コミュニティセンター。夜勤明けでも同僚の穴埋めを引き受けてしまう23歳のすずは、親友の結婚祝いに、手作りのペンダントを贈ろうと夜間講座「はじめての宝石研磨」へ通い始める。  隣の席に座ったのは37歳の晴翔。工具箱に救急セットと予備の手袋を揃え、手順を紙に書いてから動く男だ。研磨機の音、削り粉の匂い、手袋越しの指先――触れたいのに触れられない距離が、磨かれていく石のように少しずつ形を変える。  会話が途切れても黙って道具を差し出す響司郎、言葉を選んで場を整える友香利に見守られながら、すずは「自分のため」を口にする練習をしていく。恋の儚さを知りながら、それでも、赤いレッドトルマリンに息を吹き込むように。

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カクヨム
カクヨム2026/02/07
  • 現在の作品君の隣の席になったレッドトルマリン