あらすじ
天才になりたかった。
努力すれば届くと、本気で信じていた。
平凡な少年・富樫透真(とがし とうま)は、誰もが認める“本物の天才”天野敬(あまの けい)と出会う。
運動神経、理解力、人を惹きつける才能。
何をやっても軽々とこなす敬の姿は、透真の胸に眠っていた劣等感を静かに、しかし確実に抉っていく。
追いつけない。
並べない。
それでも、諦めきれない。
「天才とは何か」
「努力は才能を越えられるのか」
答えの出ない問いに縋りながら、透真は必死にもがき続ける。
だが一方で、敬もまた“天才であること”という期待と重圧に縛られていた。
才能に憧れ、才能に傷つき、才能の意味を見失っていく二人。
これは、特別になれなかった少年・富樫透真が、
“特別”の正体と向き合うまでの物語。
――天才に憧れたすべての凡人へ。