あらすじ

元刑事の探偵・夏目小雪は、京都の旧家「雪月花荘」の当主・雪月花静香から奇妙な依頼を受ける。庭師・田中健二が雪の日に死んだが、遺体がまるで「美しく配置されていた」ため、事故とは思えないという。現場には被害者の足跡しかなく、警察は事故死と断定した。やがて、満月の夜、同じ屋敷の書生・佐藤光が毒殺され、遺体はやはり美しく横たわっていた。二つの死が「雪」と「月」という美の象徴をなぞるように起こり、次の殺人予告は「花の下で」。  小雪は調査の末、静香が異常なまでに「完璧な美」に執着していると気づく。田中の剪定の拙さ、佐藤の下手な字――その「不完全さ」を許せなかった静香は、彼らを美しく殺すことで「完成」させようとしたのだ。雪の日の殺人では雪前に殺害し、雪後に被害者の靴で足跡を残すという巧みな偽装まで施していた。  真相を突きつけられた静香は狂気を露わにし、小雪を「桜の下で」最後の作品にしようとする。しかし小雪は息も絶え絶えに、「雪も月も花も、儚いからこそ美しい」と訴える。その言葉と欠けた桜の花びらが、静香の心に崩壊をもたらす。  やがて助け出された小雪は、散る花を見上げながら思う。雪月花とは、完成を拒む美そのものだ――儚さの中にこそ、生の輝きがあるのだと。

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エブリスタ
エブリスタ2026/02/07
  • 現在の作品雪月花殺人事件