あらすじ

ジャヒの背中―― どう考えても、セクシーすぎる。 目の前でわずかに起伏する、鍛え上げられた筋肉。 布越しでも分かる張りと熱が、作業のたびに揺れて、私の視線をさらっていく。 締まった肉体に似合わない、繊細な針仕事。 邪魔しちゃいけないのは分かってる。 ……分かってるのに。 指が、勝手に伸びた。 肩のラインに触れた瞬間、ぴくりと背中が跳ねる。 逃げ場を失ったみたいに、筋肉が一度、固まった。 指先を、うなじの尖った骨へ。 すべすべしていて、熱い。 気持ちよくて―― 次は、頬を寄せた。 さっきと同じ道を、今度はゆっくり唇で辿る。 その瞬間、背中がびくんと震えた。 作業の手が止まり、張りつめた空気が伝わってくる。 「……ジャヒ? ちゃんと続けて?」 振り向かない背中が、わずかに苛立ちを示す。 「ウトちゃん……その指と、お口。縫っちゃおうかな?」 ゆっくり振り向いた顔は――笑ってない。 右手には針。 歯には、ピンクの糸を咥えている。 本気だ。 ぶちん、と整った歯が糸を噛み切る。 切れる音が、妙に大きく響いた。 そのまま、何事もなかったように玉結びを作る指先。 滑らかで、無駄がない。まるで手品。 「……あっ、ごめんなさい。縫わないでください……!」 青ざめて謝る私を、ジャヒは許さなかった。 がしっと腰を抱かれ、太ももで逃げ道を塞がれる。 「……じっとしてて。動いちゃダメだよ?」 針を持ったまま近づかれて、背筋がぞくりと粟立つ。 ピンクのキャミソールの胸元に、太い指がそっと入り込む。 谷間がわずかに開いて――そこへ、針が動いた。 空調で髪が揺れる。 ジャヒは完全に刺繍に集中していて、私は息を殺すしかない。 触れ合いは、甘い。 ……けれど。 欲求不満を、静かに加速させるだけだった。

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エブリスタ
エブリスタ2026/02/07
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