あらすじ
「貴方は誰よりも優しい人です」……いや、俺はお前を無視してるだけなんだが!?
目が覚めると、BL小説の悪役令息ルシアンに転生していた。
待っているのは、主人公ノエルをいじめた末の断罪と悲惨な死。
平和主義の俺は決めた。「主人公とは絶対に関わらない。空気になって生き延びる!」
そうして俺は、徹底的な「無視」と「塩対応」を貫いた。
なのに、どうしてこうなった?
「僕を欲で見ないのは貴方だけです」
「陰ながら助けてくださってありがとうございます!」
俺の行動はすべて「高潔さ」や「不器用な優しさ」として、ノエルに都合よく変換されていく!
怯える俺と、慕ってくるノエル。
噛み合わない二人の関係は、やがて卒業パーティーの断罪イベントでまさかの結末を迎えることに――。
【登場人物紹介】
◆ルシアン・ヴァルドア
本作の主人公。ヴァルドア公爵家の嫡男であり、優れた魔力を持つアルファ。
切れ長の瞳と色素の薄い銀髪を持つ冷ややかな美貌の持ち主だが、中身は日本人の記憶を持つ平和主義者。
原作小説『銀の瞳の聖者』では、主人公を執拗にいじめ抜き、最終的に国外追放および悲惨な末路を迎える「悪役令息」であることを思い出す。
破滅を回避するため、目立たず、誰とも関わらず、ひっそりと学園生活を送ろうと決意するが、生まれ持った威圧感と美貌のせいで周囲には「孤高の貴公子」として恐れられ、敬われている。
◆ノエル・シルヴァ
原作小説の主人公。平民出身ながら希少なオメガとして覚醒し、特待生として学園に入学した少年。
蜂蜜色の髪と愛らしい顔立ちを持ち、フェロモンで多くのアルファを魅了する設定だが、本人は誠実な愛を求めている。
ルシアンに徹底的に無視され、避けられていることを「他のアルファのように欲に濡れた目で見ない、高潔で紳士的な態度」だと壮大に勘違いし、憧れと好意を抱き始める。
◆テオドール
ルシアンの幼馴染であり側近。ベータ。眼鏡をかけた冷静沈着な人物で、ルシアンの変化を敏感に察知しつつも、主への忠誠心から黙って支える。