あらすじ
山寺洋平(やまでら ようへい)25歳。
彼はとにかく気が弱く、小心者で、常に周囲の顔色をうかがいながら生きてきた。
人に逆らうことができず、理不尽なことにも声を上げられない――そんな男である。
ある朝、いつも通り満員電車に揺られていた山寺は、
隣に立つ男が、前にいる女性へと不自然に体を寄せていることに気づく。
だが、怖くて何も言えないまま、ただ目を伏せていた。
やがて電車が駅に停まり、痴漢をしていた男は降りる直前、
突然、山寺の腕を強く掴み、女性の背後へと引きずり込む。
次の瞬間――
「この人です!」
そう叫ばれたのは、山寺だった。
こうして彼は、何もしていないにもかかわらず、
痴漢冤罪という現実に巻き込まれてしまう。
逃げることも、反論することもできない気弱な男・山寺洋平。
そんな彼の前に、やがて現れる一人の老人――
不思議な爺さんとの出会いが、彼の人生を少しずつ変えていく。
冤罪と犯罪。
勇気と弱さ。
そして、「強くなる」とは何なのか。
これは、
気弱だった一人の男が、選択を迫られていく物語である。