あらすじ

はなと三浦は、もともと仕事仲間だった。 特別な関係ではなく、ただ同じ作業を共有する相手として並んでいた。 三浦には娘の真央がいる。感情の行き場を失いやすく、不安定さを抱えた少女だった。 三人が同時に存在できたのは、音声アプリ「ボイスリング」の中だけだった。 毎朝、真央から届く二人連名の「おはよう」が、現実では交わらない距離をかろうじて繋いでいた。 やがて真央は突然この世を去り、三浦は心身の均衡を崩していく。 はなは仕事仲間だった立場のまま、いつしか生活を回す側へと移っていく。 三浦の体は病に侵され、時間は静かに減っていく。 そして、ボイスリングはサービスを終了する。 三人が確かに並んでいた場所ごと、記録は消える。 残るのは、同じ部屋にいる二人と、見つからなくなった関係の名前。 この物語は、「存在していたはずのもの」が見つからなくなる過程を描く。

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小説を読もう2026/02/07
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