あらすじ
「悪いなリアン。定員オーバーだ」
未踏破ダンジョンの最深部。 勇者ゼクスに蹴り飛ばされ、奈落へ突き落とされた保全士のリアン。
背中に感じたのは、かつての仲間の冷酷な「笑顔」だった。
しかし、絶望の底でリアンが口にしたのは、悲鳴ではなく「職人の不満」だった。
「……汚いな、本当に。地脈の通りは歪んでるし、天井はスカスカだ」
伝説の魔獣を一瞬で「精密解体」したリアンは、腰のハンマーを握り直す。
「よし、まずは掃除から始めよう」
崩落箇所の補強、魔力伝導による温度調節、そして傷ついたダークエルフとの出会い。 リアンの「保全スキル」は、死の空間を前代未聞の「迷宮都市」へと変貌させていく。
一方、有能な裏方を失った勇者たちは、劣悪な環境にボロボロになり、 ついにはリアンの作り上げた「楽園」の玄関口に、泥まみれで辿り着くことに――。
これは、一人の職人がプライドをかけて奈落をリノベーションする、逆転の物語。