あらすじ
ヒロインの名はアリア。
三十二歳。
十六歳のとき、両親を亡くし、生まれたばかりの弟エリオットと二人きりになった。
孤児院に行くことを拒み、
アリアは「姉」ではなく「母」を名乗る選択をする。
弟はそのまま、
彼女の“息子”として育ち、
周囲もまた、それを疑わなかった。
それから十六年。
エリオットは成人し、仕事に就く。
「姉ちゃん、今度は自分の幸せをつかんで」
その言葉をきっかけに、
アリアは初めて“自分の人生”として婚姻を考え始める。
一方、彼女が婚姻仲介で出会う予定だった男――
ノクスは、三十二歳の会社社長。
財も地位もあるが、結婚には一切興味がない。
彼は女たちを遠ざけるため、
「会社が潰れそうで無一文になる」と嘘をつく。
その嘘は、
アリアだけに真実として届き、
彼女の“母性”を刺激してしまう。
善意から始まった関係は、
やがてノクス自身の嘘を追い詰めていく。