あらすじ
小さな国の貴族として生まれた私は、
男の身体を持ちながら、幼い頃から「女」として育てられてきた。
それが私にとっては当たり前で、
自分を女だと思うことに疑いはなかった。
国の都合による政略結婚で嫁ぐことになった先は、
大国の辺境で活躍する若い騎士のもと。
事情を多く語られないまま始まった結婚生活は、
穏やかだが、どこか距離のあるものだった。
静かな館で過ごす日々の中、
会話や食事、何気ない時間を重ねるうちに、
二人は少しずつ相手を「役割」ではなく
「人」として見るようになっていく。
私は、誰にも言えない秘密を抱えている。
それでも、女として生きてきた私自身は嘘ではない。
花嫁として、そして一人の人間として、
この場所でどう生きていくのか――。
これは、
男の身体で花嫁となった私と、
不器用で優しい辺境騎士が、
静かに恋を育てていく
ほのぼのファンタジー恋愛譚。