あらすじ
高温のマグマが地表を覆い、赤い大気が脈打つ惑星《テルマ》。
人類はこの星でしか採れない希少エネルギー鉱石《グラナイト結晶》を求め、各地に採掘隊を送り込んでいた。
そのひとつ《デルタ採掘班》に所属する若い隊員 ユノは、他の隊員には聞こえない“星の声”を聴く特異体質を持っていた。
彼女は幼い頃から、自分が感じる微細な振動や囁きが、ただの幻聴だと思い込んでいた。
しかしテルマに降り立った日、声はユノに明確な言葉で呼びかける。
――名を呼べ。
私は、マグニ。
その存在は、惑星テルマのマグマ流動と地殻エネルギーを司る“星の意思体”だった。
ユノは突然、遺跡から放たれる光に引き寄せられるようにして、古代文明の残した巨大建造物を発見する。
遺跡はユノの接近に呼応し、封印された内部を開く。
そこには、かつてこの星を救うために造られた“星核制御装置”と、マグニの記憶が眠っていた。
一方、採掘会社は莫大な利益を前に遺跡の保護を拒み、
隊内には「採掘継続派」と「遺跡保護派」で深刻な対立が生まれる。
さらに、マグマ活動は急激に不安定化し、テルマ自体が“崩壊の前兆”を示し始める。
ユノはマグニと精神リンクを深めることで、星が発する真のメッセージを理解する――
グラナイト結晶の乱獲は星核を崩壊させ、銀河規模の連鎖事故を起こす。
古代文明もまた、それを止められず滅んだのだ。
星の生命を守るか、採掘を優先するか、隊員たちの価値観が揺れる中で、
ユノは“星の声を聴ける唯一の人間”として、選択を迫られる。
星を救うために遺跡を起動させれば、マグニという存在は消滅する。
しかし放置すれば、星は破裂し、命は消し飛ぶ。
そして迎える最終局面――
ユノは、マグニの「最後の願い」を聞く。
「この星を…未来へ託したい。
そのために、私を終わらせてくれ。」
ユノが選ぶのは、星の死か、星の再生か――。
その結末は、彼女自身の“声”に委ねられていた。