あらすじ
※冷却系ざまぁ/溺愛/ハッピーエンド保証
「君との婚約は破棄する。愛する人ができた」
その言葉を聞いた瞬間、私は殿下の心が視えた。
――そこに「愛」は、なかった。
私ルシアは、感情視の魔法を持つ侯爵令嬢。人の心に宿る感情が、色として視える特異な能力。三年間、殿下の心の色を見続けてきた私は知っている。殿下が私を愛したことなど、ただの一度もなかったことを。
だから、婚約破棄は願ったり叶ったり。
静かに微笑んで、私は自由を選んだ。
「構いませんよ、殿下。どうぞお幸せに」
その決別を、ずっと傍で見ていた人がいた。
王国最強の騎士にして、冷徹で知られるノルトヴァルト公爵――彼の心だけは、私には視えなかった。視えなかったはずなのに、彼は言う。
「俺の心を、視てくれ」
そして王城の謁見の間で、すべての嘘が暴かれる。
これは、心を視る令嬢が、視えない心に出逢う物語。