あらすじ
午前二時。土砂降りの雨の中で、紬(つむぎ)は死ぬ場所を探していた。
そんな彼女に傘を差し出したのは、夜の街の住人・凪(なぎ)。
「死にそうな顔してるよ。……傘、入る?」
その一言は、絶望の底にいた彼女にとって唯一の聖域だった。
凪を救いたい。彼の役に立ちたい。
その純粋すぎる献身は、いつしか歪な共依存へと姿を変えていく。
紬は夜の街で「莉愛(りあ)」として自分を切り売りし、その金で凪を部屋に閉じ込める。
凪は優しく彼女を抱きしめるが、その瞳は決して、彼女の深淵を覗こうとはしない。
そんな二人の閉ざされた地獄に、かつての自分を知る同級生・颯太(そうた)が「まっとうな光」を連れて現れる。
これは、優しすぎる嘘に溺れた二人の、あまりにも残酷で静かな愛の記録。