あらすじ
ヴィオラ・ベラドンナは、幼いころからの厳しい教育を乗り越え、王妃となった。
常に完璧であれと求められる王宮で、夫であるジュードが求めたのは、
完璧とは程遠い、身分の低い商家の娘、アナベラ。
理想の家族像が詰まった別邸で家族ごっこに興じ、幸福そうに笑い、真実の愛に酔う王。
――その裏で、国が少しずつ崩れていることにも気づかぬまま。
だから、彼女は決めた。
王妃として。
そしてベラドンナ公爵家に生まれた者として。
両家が建国時より密かに交わしてきた“契約”を果たすと。
「わたくしは、ベラドンナ公爵家の駒であっても、王家の踏み台ではない」
王宮という盤上で、駒を置き、糸を引き、言葉ひとつで運命を動かす。
たとえ幾度、朝と夜を迎えようとも、王家の腐った果実を、必ず落としてみせましょう。
これは――
悪役を引き受けたひとりの王妃が、
腐った王家を清算し、最後に自分だけの人生と小さな幸せを取り戻す物語。
*宝石の庭~私を過去にするのなら、私もあなたを過去にする~に登場する、王妃のお話です。