あらすじ

人生のすべてを失った湊蓮(みなと・れん)は、冬を目前に控えた北アルプスへと足を踏み入れた。 信頼していた者の裏切り、理不尽な汚名、愛した人の離反。 デイパックに遺書を隠し、綿のパーカーという「死装束」を纏って。 凍える闇の中で死を待つ蓮の前に現れたのは、月光に照らされた、残酷なまでに美しい銀嶺の世界だった。 そして、孤独な登山家との邂逅。 絶望の果てに見つけたのは、下界の喧騒とは無縁の「絶対的な生」の領域。 男から投げられた「死ぬくらいなら、この頂を越えてみろ」という言葉。 空っぽになった男の胸に、かつて夢見た「世界最難関・K2」への登頂という、狂気にも似た灯火が宿る。 これは、死に場所を求めた男が、一歩ずつ山の厳しさを学び、道具に命を預け、仲間の絆を知り、己の生を奪還していく物語。 たとえそこが、酸素すら拒まれる「デスゾーン」であっても。 俺は、あの蒼い頂へ。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/02/07
  • 現在の作品死に場所を求めた先の頂