あらすじ
高校時代、ともに競技かるた部で情熱を注いだ白石史人と藍原つぐみ。
疎遠になっていた二人は二十歳を祝うつどいで再会した。
つぐみは前にも増して美しくなっていたが、聡明で周りを大切にする彼女から当時の溌剌さは失せていた。
部のOB飲み会で、過去の恋人の話題が持ち上がる。史人は彼女がいたことを後輩に暴露され、つぐみも彼がいたけれどもう別れたという。
昔からつぐみを想っていた史人は彼女に恋人がいたことに微妙な気持ちを抱く。つぐみと近づくチャンスなのに史人はつぐみの方を見られないし、つぐみも史人を見ない。緊張感が漂っていた。
最寄り駅は同じだがサクッと別れて帰宅した方がいいと思った史人に、つぐみは家族は旅行で出かけていて一人だから「うちで飲もう」と誘う。避けられていると思っていたので逆の展開に困惑する。
以前の彼女のキャラとは違い、日本酒を冷やで焼きいかをつまみに飲む。何かおかしいと思っていると、飲み会では興味を示さなかった史人の別れ話を聞いてくる。理不尽な終わり方をした恋につぐみは史人本人よりも憤りを見せる。そして史人に聞かれ、つぐみは自分の別れ話を始める。「優しさがわからなくなった」と切なく笑う彼女が経験した過去。それを聞いて史人も『優しさ』の意味がわからなくなる。丁寧に言葉をかわしながら、本当は何がしたかったのか、二人は深い夜の静寂の中でありのままの自分を見つける。