あらすじ
「殿下の言葉には、心がないな」
五年間、王太子ラーシュの演説草稿、外交書簡、政策文書――そのすべてを代筆してきた婚約者リーゼルは、男爵令嬢カミラとの婚約を望むラーシュにそう告げられ、静かに婚約破棄を受け入れた。
「承知いたしました。では本日をもって、すべての筆を置かせていただきます」
怒りも涙もなく去ったリーゼルを、ラーシュは「やはり心のない女だ」と嗤う。
だが翌日から、彼の口から出る言葉は急速に色を失っていく。
一方、リーゼルのもとに一通の招待状が届く。差出人は隣国の「氷の外交官」ヴェルナー公爵。五年間、公式文書の推敲を通じて文通を続けてきた相手――そして、その文章の真の書き手がリーゼルだと最初から知っていた男。
「貴女の言葉には、心がありすぎるのです」
※ざまぁあり/ハッピーエンド保証/甘さ強め
これは、他人の名前でしか言葉を紡げなかった令嬢が、自分の名前で愛を綴り直す物語。