あらすじ
「君との婚約は破棄する。代わりはいくらでもいるからね」
王太子にそう告げられた伯爵令嬢フィーネは、怒りも悲しみもなく、ただ静かに頷いた。
三年間、婚約者に顧みられることなく、それでも王家のために万応薬を調合し続けた日々。その終わりを、彼女はどこか安堵して受け入れた。
フィーネが選んだのは、反撃でも懇願でもない。
ただ、自分の足で歩き出すこと。
夜会の片隅で、無愛想な隣国の公爵が彼女の手を取る。
「——お前の薬を、俺にくれないか」
手元に残った最後の万応薬。その価値を知る者は、婚約者ではなかった。
※ハッピーエンド保証/甘さ強め/冷却系ざまぁ