あらすじ
辺境の廃領を任された青年アレン。
そこは人口減少、赤字、治安崩壊――
「数字上は、もう死んでいる領地」だった。
剣も魔法も頼らず、彼が使ったのは帳簿と制度だけ。
廃領は立て直され、やがて周辺領を巻き込む統治連合へと発展していく。
しかし、正しい内政は、広げるほど歪みを生む。
王都の介入、合議制の停滞、そして「善意による失敗」。
彼は追放されない。
だが、権限を失い、国家の影に追いやられる。
それでも――
国が壊れる速度は、確かに遅くなっていた。
これは、英雄にならなかった内政官が、
戦争を起こさず、国を滅ぼさないために戦い続ける物語。