あらすじ
世界樹は枯死し、空からは絶え間なく「死の灰」が降り注ぐ。
魔法が贅沢品となった「灰の常冬」の世界で、人々が暖房魔法すら制限され凍える一方、王都の貴族たちは装飾魔法にマナを浪費し、不完全燃焼の灰を撒き散らしていた。
王立監査局の筆頭監査官、カイ・ヴェルナー。
かつて治療費の500MPが足りず最愛の妹を亡くした彼は、感情を捨てて「数字」のみを信じる監査官となった。
「君たちの正義には、0.1MPの価値もない」
貴族の浪費を断罪し、王都を追放されたカイの手元に残されたのは、一つの絶望的な数値。
世界滅亡まで、残りマナ0.003%。
魔法効率0.004%の浪費家ハイエルフと、900年の孤独を背負う魔王の少女。
冷徹な監査官は、世界の家計簿を「黒字」にするための巡礼の旅に出る。
これは、数字の向こう側に「人の心」を見つけ、世界に本当の春を取り戻すまでの——0.003%の奇跡の物語。