あらすじ
教室の隅、スケッチブックを「結界」にして世界から心を閉ざしていた私。
私の目に映る世界は、すべてが灰色だった。
あの日、彼女が現れるまでは――。
転校生・静寂しおり。
彼女は、クラスの中心という光の当たる場所を自ら振り捨て、灰色の「結界」の中にいた私の手を取った。
世界は「ふたりぼっち」だけの色彩に満ち溢れ、
彼女こそが、私の唯一の「光」になった。
しかし、幸せな日々は長くは続かなかった。
あの日、私が彼女の身体に隠された「秘密」を知ってしまったばかりに。
しおりは氷のような瞳で私に告げた。
「あなたとは、友達じゃ、ない」
そして、私の前から姿を消した。
私は「光」をすべて失い、彼女は世界から完全に消えた。
……それでも私は信じている。
私たちが唯一共有していた「卓球」という一本の糸だけが、今もどこかで繋がっていることを。
これは変わり果てた世界で、たった一人の「親友」の手をもう一度掴むまでの、痛みと再生の記録。
本編『虐待された少女の武器は、卓球と過覚醒とトラウマでした 〜異端の白球使い〜』の過去を描く前日譚。
完全描き下ろしにつき不定期連載となります。
※本編未読の方でも、一つの物語としてお読みいただけます。