あらすじ
かつて「生ける天災」と恐れられ、単身で魔王軍の幹部を屠った最強のSランク冒険者、カイル。
無口で無愛想、戦うことしか知らなかった彼は、ある日、滅ぼした魔王城の片隅で一人の赤ん坊を拾う。
「……今日で、冒険者は廃業だ」
それから五年。辺境の村で木こりとして静かに暮らすカイルの傍らには、天使のように愛らしい一人娘、リリスの姿があった。
カイルは娘を溺愛していた。彼女のために美味しい飯を作り、可愛い服を買い、その笑顔を守ることだけが彼の生きがいだった。
だが、彼は知らなかった。
愛する娘が、実は【先代魔王の記憶と権能】をそのまま引き継いだ転生体だということを。
「パパ、あのおじさんたち、パパをバカにしたから消しちゃっていい?」
「……リリス、メッだ。悪いことを言う口には、食後のプリンはやらないぞ」
「わわっ、ごめんなさいパパ! 良い子にするからプリンください!」
パパの前では「最高に可愛い愛娘」として振る舞うリリス。
しかし、パパが席を外した瞬間、彼女は魔王の瞳を輝かせる。
パパに仇なす魔物や、無礼な貴族、そして自分を連れ戻そうとする魔王軍の残党を、パパにバレないよう、文字通り「完食(捕食)」して闇に葬っていく。
「パパを怒らせたら、この世界ごと消えちゃうもんね。……だから、私が掃除しておいてあげる」
最強の親馬鹿なパパと、パパが大好きすぎて敵を排除し続ける元魔王の娘。
勘違いと過保護が交錯する、最強にして最凶の「親子スローライフ」が今、始まる!