あらすじ
余命二年を宣告された少年は、病室で一冊のノートを渡される。
それは、「書いたことをなかったことにできる」ノートだった。
ノートを渡したのは、同じ病を患う少年。
彼は言う。
「僕が居なくなったら、開いてみるといいよ」
やがて少年は“退院”した。
誰も悲しまなかった。
まるで最初から、いなかったかのように。
ノートの中には、闘病の日々が綴られていた。
痛みを消したい。
孤独を消したい。
そして最後に書かれていた願い。
――病気をなかったことにしてほしい。
少年は震える手で、自分の願いを書く。
その瞬間、世界は書き換えられる。
目を覚ますと、彼は高校生になっていた。
失われたはずの時間。
存在するはずのなかった日常。
そして、“退院したはずの少年”との再会。
これは、奇跡の物語ではない。
これは、死を前にした少年が見た、
最後の「逃避」と「受容」の物語。
願いは、本当に叶っていたのか。
それとも――