あらすじ

ケンは物心がついた頃から自分が自己中心的な存在であることを知っていた。何故、自分で自分自身の感情や欲望を押さえなければならないのか、という事がケンにはよく理解出来なかった。いわゆる自己制御はケンにとって堪え難い苦痛を伴った。自分以外の子供や周りの人間達の言動は常に不可解なものであった。 ケンは途轍もなく我儘な子供だった。親はもとより周囲の人間達はケンに対して野生の動物を調教するのと同様の方法を用いる以外に手は見いだせなかった。周りの仕打ちに対してケンは燃えるような憎悪と憎しみを感じては報復し、又、それを繰返した。 ――親も含めて誰もがケンには人間的な学習能力が生まれ付き欠落しているのだと思った。だが、小学校に入る頃にケンの態度が一変した。それまでの反抗的な言動が嘘のように無くなった。暫くは周りの大人達はその急激な変化に戸惑ったが、その内に気にしなくなった。しかし、ケンの本性が少しも変化してはいないと感じていたのは同世代の子供達だった。まともな抵抗が無駄だと骨身に感じて悟ったケンは、単に自己防衛の為に表面的な反応を消したにすぎない ケンの瞳には前以上に獸に似た強い意志的な光が宿っていた。

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小説を読もう2024/12/31
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